「せんせい。」重松 清 [小説]
ここ最近、久しぶりに何冊か小説を読んだ。
そのうちの一冊が、「せんせい。」重松清
心がかさついてきて、潤いがほしくなったときに
私は、重松清を読む。
教師と生徒を巡る六つの物語。
聖職といわれる職業だけど、
そこにいるのは、紛れもなく人間なわけで、
完璧な人間であるはずもなく、
ここに登場するせいせいたちも、
「せんせいだって人間だ!でも、やっぱりせんせいだ」
という方々。
大人になった今だからわかる、あの時の人間せんせい
でも、今、会うと、やっぱりあの時のせんせいで、
背筋を伸ばし、気をつけしてしまう、せんせい。
ずっとせんせいを目指していて、
今は、ボランティアでせんせいのようなことをやっていて、
そんな自分にとって、とても心に沁みる作品だったし
もし、あのまませんせいになっていたら、
自分はどんなせんせいになっていただろう
嫌いな生徒にどんな風に接していただろう
大学の仲間で、せんせいになっている、
O君や、M君の感想が聞いてみたい。
「定年ゴジラ」(重松清) [小説]
『定年ゴジラ』(重松清)読了。
久しぶりに重松さんの本が読みたくなった。
私が氏の本を読みたくなるのは、
心を潤して、柔らかい心にしたい時・・かな。
この物語が発表されたのは、1998年。
その頃、定年を迎えた山崎さんと
前後に定年を迎えた同じニュータウンの
定年組の物語。
私からすると、二回りほど年上の先輩たちの話になる。
なので、正直なところ、感情移入して大感動!ということはなかった。
山崎さんの子供たちも二人とも女の子だし。
でも、最後は感動した。
「重松清さん、さすがだなあ」と感心した。
しかし、途中まではそうではなかった。
「小説なんだから、もう少しドラマチックでもいいじゃないか」
とか、思いながら読み進んだ。
でも、終盤に近付くにつれ、
この物語にとって、このさほどドラマチックではない
「日常」こそが、その積み重ねこそが
登場人物のそして、私たちの人生に
大きな意味を持っていることに気づかされ、
その後、何ともしみじみとした感動が湧きあがってきた。
重松清という人は、本当に、人間について
その人生について、深く知っている人だし
いとおしく思っている人だとつくづく思った。
良い本と出会えた。
「64」横山秀夫 [小説]
「警察小説の最高峰!」という本屋のPOPに惹かれて購入
「64(ロクヨン)」横山秀夫著
昭和64年に起きたD県警史上最悪の誘拐殺害事件を巡り、刑事部と警務部が全面戦争に突入。広報・三上は己の真を問われる。究極の警察小説! (アマゾン内容紹介より)
以前、氏の「動機」を読んで、正直その「暗さ」に参ってしまった。
もう読まないだろう・・と思っていたけど、読んでしまった。
確かに、刑事である主人公の思考内容が詳細に描かれ
また、警察組織内部の軋轢など、へえ~、と思うところもあるのだが
肝腎の事件の展開、結末には、もう一つの感が否めない。
もう少し、分かりやすく、そして、読後感がすっきりした仕上げにできないものか・・・
と思ってしまった作品でした。
でも、トータル、面白かったですよ。
4月18日からNHKで、5回ものの連続ドラマとしてスタートした。
どういう映像になっているのか興味が湧く。
「64(ロクヨン)」横山秀夫著
昭和64年に起きたD県警史上最悪の誘拐殺害事件を巡り、刑事部と警務部が全面戦争に突入。広報・三上は己の真を問われる。究極の警察小説! (アマゾン内容紹介より)
以前、氏の「動機」を読んで、正直その「暗さ」に参ってしまった。
もう読まないだろう・・と思っていたけど、読んでしまった。
確かに、刑事である主人公の思考内容が詳細に描かれ
また、警察組織内部の軋轢など、へえ~、と思うところもあるのだが
肝腎の事件の展開、結末には、もう一つの感が否めない。
もう少し、分かりやすく、そして、読後感がすっきりした仕上げにできないものか・・・
と思ってしまった作品でした。
でも、トータル、面白かったですよ。
4月18日からNHKで、5回ものの連続ドラマとしてスタートした。
どういう映像になっているのか興味が湧く。
「隠蔽捜査5」~宰領~ [小説]
先日の箱崎花庭園より
久しぶりに小説を読了
読み続けているシリーズの「隠蔽捜査」
今回も、主人公の警察官僚竜崎が痛快。
警察という特殊な組織の中で
「本音」を貫いて生きていく主人公の姿に
「そうはいくかよ!」と念いながらも
共感してしまう。
どうやら、隠蔽捜査5.5が出ているらしい。
読んでみようかな。
タグ:隠蔽捜査
「蜩の記」 [小説]
久しぶりに、時代小説「蜩の記」を読んでいる。
シンプルな文調が、とても良い。
10月には映画が上映される。
小説のおもしろさは、
もし映画にするとしたら、
どういう配役にするか考えること。
この「蜩の記」の戸田秋谷には、
誰がぴったりだろう?と考えて、
思い浮かんだのは、
中井貴一、豊川悦司、役所広司
実際の映画は、役所広司らしい。
ビンゴ。
「トロイメライ」池上永一 [小説]
最近はあまり小説を読んでなくて、
久しぶりに、数年前に直木賞を受賞した「廃墟に乞う」
を読んだのだけど、もうひとつ・・
そこで、これまで読んだ中でも最高におもしろかった
「テンペスト」の番外編的な小説「トロイメライ」が出ていると聞いて、読んでみた。
沖縄ファンの私としては、
描かれている、庶民の生活そのものが
なんとも懐かしく、郷愁を誘われ、
小説を読んでいる間中、
ほのぼのとした気持ちになれた。
「テンペスト」を読まれた方にはおすすめの一冊。
「テンペスト」といえば、仲間由紀恵主演で
舞台化されているらしい。
幻住庵のネギさんは、観に行ったとか。
ふ~ん。
久しぶりに、数年前に直木賞を受賞した「廃墟に乞う」
を読んだのだけど、もうひとつ・・
そこで、これまで読んだ中でも最高におもしろかった
「テンペスト」の番外編的な小説「トロイメライ」が出ていると聞いて、読んでみた。
沖縄ファンの私としては、
描かれている、庶民の生活そのものが
なんとも懐かしく、郷愁を誘われ、
小説を読んでいる間中、
ほのぼのとした気持ちになれた。
「テンペスト」を読まれた方にはおすすめの一冊。
「テンペスト」といえば、仲間由紀恵主演で
舞台化されているらしい。
幻住庵のネギさんは、観に行ったとか。
ふ~ん。
「日曜日の夕刊」重松 清 [小説]
<E-1+50mm f2.0 macro>
この前の出張のお供に、しばらくぶりで重松清さんの小説を持っていった。
「日曜日の夕刊」
<iphone>
現代の家族群像を描いた12の短編集。
重松さんらしく、ちょっと苦いものを感じたり、
心にぽっと灯りがともるように暖かさを感じたり。
やっぱり、現代の家族を描かせたら、
この人はすごい。
そして、この短編集は、そのユーモラスな表現の数々もよかった。
まあ、短編なので、読み応えという点では、・・・なところもあるけど。
久しぶりの、重松ワールドにやっぱり感動して、
Amazonでさっそく、2冊注文してしまった。
The Best Book of The Year 2009 [小説]
「あの歌がきこえる」 重松 清 [小説]
先日、東京出張の往復で一気に読んだ。
「あの歌が聞こえる」 重松 清
1970年代から80年代に、
中高生時代を送った世代には、
それぞれの形で、ぐっと来る物語ではないだろうか。
3人の「ワカゾー」男子中学生が、いろんなことにぶつかりながら
成長していく、まさに青春物語。
特徴は、それぞれのシーンに出てくる「歌」が
各章のタイトルになっていること。
たとえば・・・
オクラホマ・ミキサー(懐かしきフォークダンスの曲ですね)
DESTINY
いなせなロコモーション
さよなら
トランジスタ・ラジオ などなど
ちょうど、この主人公たちと年齢がかぶる私としては、
なんとも、懐かしいような、思い出してこっぱずかしいような、
そんな思いで、胸がちょっと、キュンとなりました。
青春の思い出は、その時の「歌」がセットになって
心のアルバムに貼り付けられているものだけど
人によって、そのシーンは様々なんだな・・とも思いました。
それぞれの、あの頃の自分に出会える1冊です。
久しぶりに、吹き出しながら、涙しながら読んだ1冊でした。
おすすめです。
<E-1+ZD50-200mm>
「あの歌が聞こえる」 重松 清
1970年代から80年代に、
中高生時代を送った世代には、
それぞれの形で、ぐっと来る物語ではないだろうか。
3人の「ワカゾー」男子中学生が、いろんなことにぶつかりながら
成長していく、まさに青春物語。
特徴は、それぞれのシーンに出てくる「歌」が
各章のタイトルになっていること。
たとえば・・・
オクラホマ・ミキサー(懐かしきフォークダンスの曲ですね)
DESTINY
いなせなロコモーション
さよなら
トランジスタ・ラジオ などなど
ちょうど、この主人公たちと年齢がかぶる私としては、
なんとも、懐かしいような、思い出してこっぱずかしいような、
そんな思いで、胸がちょっと、キュンとなりました。
青春の思い出は、その時の「歌」がセットになって
心のアルバムに貼り付けられているものだけど
人によって、そのシーンは様々なんだな・・とも思いました。
それぞれの、あの頃の自分に出会える1冊です。
久しぶりに、吹き出しながら、涙しながら読んだ1冊でした。
おすすめです。
<E-1+ZD50-200mm>